真山 巧 |
chapter.29 | いいんです 傷つけても キズつき ませんから 月が彼女を呼ぶ 待ち合わせ しましょう いつか くり返す 甘やかな メロディー どこまでも 続く ―でも 月の道を 渡って 僕は そっと あの虹の 向こうで 彼女の耳を ふさごう この岸を 離れて そのために なつかしい 貴方と ここに帰って来た |
chapter.34 | 今でも スローモーションみたいに 焼きついている まるで モノみたいに軽々と 思い出を放り投げる 執着のなさ この人から漂う 身軽さのわけが 解ったような気がした オレが 惹かれる理由も どこか こわいと思ってしまう 理由も |