4巻

chapter.22〜


 chapter.22  一心不乱に カンバスと 格闘する 彼女の背中と
 あの夜1人で 木槌をふるっていた 森田さんの背中―
 ―2人の姿が 重なって見えた
 僕には 入っていけない 世界の中 ―そして
 その場所に 距離なんて ないのだ
 僕は彼女に どんな答えを望んでいたんだろう
 いつもみたいに ベソをかいて 「早く帰って来て欲しい」って―
 そんな風に言ってくれた方が 良かった ずっと ずっと良かった






5巻

 chapter.31  自分に何の とりえがあるのかも わからなかった
 ―でも 手でモノを 作ることは スキだと 思えて
 それだけを頼りに 家を出た
 ―けれど・・・・・・ 4年の月日は 自分を知るには 短すぎ・・・
 就職活動が 始まっても オレはただ うろうろと 迷ってばかりで
 ―でも 気づいたんだ なぜ迷うか
 地図が無いからじゃない オレに無いのは 目的地なんだ


 chapter.31  みんな きっと 同じ事を考えていた
 ―でも口にしたら よけいに
 苦しくなるような 気がして 誰も 口に 出せなかったんだ
 ―なんで ここに いるのは ボクなんだろう
 あの時 僕は 皆が揃うのは なぜか これが最後の ような気がした
 いるべき人が いなくなって
 でも あの時 僕の胸に 浮かんだ想像では この今年のクリスマスに
 いなくても どってことない人間が
 いないのは ボクの方だったんだ
 ここでケーキを口に運んでる
 神サマ 世の中って 何て むずかしい


 chapter.32  −たしかに 今 オレは迷ってて
 そしてそれは どんなに目を背けても 作品に出てしまって・・・・・・
 −でも 迷っているオレも たしかに・・・・・・・・・
 どう隠しようもなく 自分なのだから
 そんな自分を 正直にぶつけて 全部出して
 今の自分を 焼きつけるしか・・・・・・ それしか今は・・・・・・


 chapter.32  もう一度 眠れたら また会えないかな
 もし もう一度 会えるのなら ききたい事が たくさんある
 もう少し長く 話がしたい
 もし それが かなうなら
 もう このまま ずっと 目が覚めなくなっても もう・・・ 何だか もう・・・


 chapter.32  ・・・なんだか 彼女の笑顔をみた時
 彼女に会ったのが 久しぶりなような なつかしいような 気がした
 それ程に ボクは 自分の事しか 見えてなかったのだ
 この半年もの間 ずっと ずっと
 その間 彼女は ずっと ずっと ボクの事を 心配してくれていたのに
 こんな 近くで


 chapter.33  何か・・・・・・
 何だか あんまり 変わんないんだなぁ〜〜って
 ホッとしたって いうか・・・


 chapter.34  森田さん・・・・・・ オレは あなたが 帰ってきたら
 「自分の中で何かが終わる」って・・・・・・・・・
 「こわい」って 「どうしたらいいんだ」・・・って
 なのに 神さま 何でなんですか
 また一緒に ご飯がたべれて 嬉しい だなんて・・・・・・・・・