真山 巧 |
chapter.2 | なあ竹本 お前まだ 2年なんだぜ あせんないで 何でもやってみろよ 少しでも興味があるコト かたっぱしから 手を 動かしてみると アッサリ 解るコトって けっこう あるぜ? |
chapter.7 | あのさ お前 何で 俺なんだ? お前が いくら 俺にハラを 立てても 俺は多分 変わんないよ お前が他の男 探した方が ぜんぜん速いよ もう俺を 見んのやめろ |
chapter.8 | 何でなんだろう 俺は それまでずっと 大人になった女は 自分のために唄を うたったりなんて しないんだろうと 思っていた それは いつか ビデオでみた 古い映画で 流れた曲で ほんの少しでも 身動きしたら 消えてしまいそうなその声に 息をつめて 耳をすませた |
chapter.11 | こーゆー ご時勢だからこそ 受けたんです どーせ当たって砕けるんなら デカイとこでしょ? |
chapter.12 | 恐竜とかって 今 もし目の前にいたら こんなだったのかな |
chapter.13 | ホラ山田 ちゃんと つかまって 落ちるってば オレは お前が 可愛いんだ だからいつか お前に 好きって 言われたら ちゃんと 断らなきゃって 思ってた でも断ったら お前は どっか行っちまうんだって思って― ―だからずっと お前から逃げ回ってさ・・・ (中略)なぁ山田 何でオレなんか スキになっちまったんだよ でもお前 ずっとオレの事 見ててくれたよな お前見てると 自分見てるみたいで 痛かった ―ああ リカさんから見た オレってこんなかなって思って カッコ悪いとかさ しつこいとかさ もーいーんだ そんなコト カッコつけても 何も変えられなかった オレは カッコ悪い まんまだし・・・ ・・・・・・・・・・・・彼女の事を あきらめらんなかった (中略)うん ・・・・・・ありがとう |
chapter.15 | 当然です はずれなく したんですから 色んな事 覚えて オレ いつか 戻ります 待ってなくても きっと戻りますから どうか それまで 元気で |
chapter.15 | 恋をすると 女の子は キレイになるって いうけれど ダメだな 男は― ―カッコ悪く なるばかり・・・・・・・・・ |
chapter.16 | いいよ ゆっくり 食べなさい |
chapter.18 | いーや なんか しょんぼり してる 気になる |
chapter.18 | 2年ってさ 長いよ でもお前は ずっと彼女の 側に居てさ すげぇ仲良く なったじゃん あのむずかしい子 相手にさ そうやって 少しずつ一緒に 積み上げてきた 信頼とかさ そーゆー 一番大事な モノまで 「戦うのが イヤだから」 とか言って 全部 放り出そうと してないか? |
chapter.19 | きっと もうずっと あのまま なんだろうな 先生は一生 先生のままなんだし |
chapter.24 | 山田 ユカタ 似合うな |
chapter.25 | ―時々 思う・・・・・・・・・ 声って いつまで 覚えているんだろう ―不安になって 頭の中で何度も 再生を繰り返す 思い出せる まだ 思い出せる でも もし このまま二度と 逢えないとしたら 最後まで 残るのは 姿だろうか ―それとも 声なのだろうか |
chapter.26 | わかってる わかっている 恋愛に もしもなんてハナシは してはいけないって事 ―でも それでもせめて 見守って いられたら―と 願う この気持ち ですら 絶対に 自己満足じゃないと 言い切れないって 事も― |
chapter.28 | 頭の中で コトバが 溢れかえる ―けど 何から話せばいいのか 選び出そうと するそばから こぼれて こんなつまらない セリフになった(中略) ・・・・・・ 理花さん オレをまた 原田デザインで 使ってもらえ ますか? 今なら 前よりは 役に立てる ようになったと 思います ―わかっていたんだ だから 必死になって 距離をとって 近づかない ようにしていた・・・ 持ち札が足りないまま 近づいても こんな風に距離を おかれるだけだって ―わかっていた のに・・・・・・・・・ やり直しだ ―また 始めから・・・ また一から・・・? ―いったい ・・・・・・いつまで? |
chapter.28 | ―こうやって 足を奪って 閉じ込めて 卑怯な僕は 走り出す ワイパーが 胸の中をかき混ぜて 鈍い音を くり返す ―そして 僕は オレンジ色の ライトの中 大黒埠頭の 大きな螺旋を ゆっくりと すべり落ちて行った |